菩提樹





◆◇◆ インドの旅 最大のギフト ◆◇◆


インドの旅は、固定観念を次々と破壊され、
日本ではけしてえられなかった数え切れない気づきと、
人生観の変化を与えてくれました。

本当にすごい旅だったと思いますし、
受け取ったものは、これから時間をかけて消化され、
血となり肉となっていくと思います。



インドの旅で数々のものを受け取ってきましたが、
旅も終わりに近づいたある日、
思いもかけなかったギフトを受け取りました。

旅も後数日で終わりというある日、
友人が興味深い質問をしてきたのです。



わたしはこれまで、禅の老師をはじめ、
何人もの師に出会ってきました。

なかには「トンデモ」な反面教師もいましたが、
多くは人間らしく、おちゃめで、誠実で、
子供のような純粋さがあって、素敵な人たちでした。



そんな中でも、こころから恩を忘れない師がいます。

それが禅の老師です。

わたしが「師」について話すとき、
ほぼ必ず禅の老師の話題が出ます。



わたしと友人はインドの旅を通して、

「人生という旅を一周し、ある答えを見つけた」ことに気がつきました。

(このことについては追々話します)



友人曰く、「ここ(答えを見つける)にいたるまでに、
答えを導き出すための数々のパズルのピースを、
師たちから受け取ってきたはずですよね」

「そんな中でも、マスターの話を聞いていたら、
禅の老師からは特別なピースを受け取っているように思うんです」

「それはなんですか?」

そう質問を受けたのです。



この言葉からわたしは、座禅の修行の中で、
わたしと老師との関係が、
全く変わった瞬間のことを思い出しました。



老師はわたしに大変目をかけてくれました。

わたしは老師に尊敬と敬意を持って接し、
老師もわたしにと尊敬と敬意を持って関わってくれました。

それはわたしにとって、武士と武士の魂が出会うかのような、
神聖で威厳のある関係性が、そこにあるのを感じていました。



だけどはじめからそうだったわけではありませんでした。

禅の修行のはじめは、老師に怒られないように
おどおどし、挙動不審な状態でした。



が、禅の修行をはじめて数日経ったある日、
それが変わりました。



戸を閉めるとき、
机を拭くとき、
庭を掃き掃除をするとき、
歩くとき、
食事をするとき、

動きや所作にわたしは没入していた。

茶道の作法のように、わたしは動きと一体になっていたのです。



それはとても心地いい体験であるとともに、
とても高貴で神聖な気持ちをわたしに感じさせました。



ひとつひとつの動作に尊敬と敬意を払う感覚。

武士のこころような気高く、関わるすべてのものに畏敬と
敬意の気持ちを感じ。

武士の魂のような感じ。

茶道のようななめらかで美しい動き、
そこにわたしは「魂」が宿っているのを感じていました。





わたしは友人にこの話をしながら、
「自分の中にそんな「神聖さ」があるのを
思い出させてくれたのが老師なんだよ」と言っていました。





すると友人はこう言いました。



「老師はマスターに「仏性」を見いだしてくれたんですね。」







その言葉を聞いてわたしはハッとしました。

そうだ、その通りだ!

歩くことや掃除をすること、
日常の何でもないことの中に顕れる
あの神聖さは「仏性」だったんだ。

わたしが感じた、神聖で気高い魂は「仏性」だったんだって。



わたしは友人の質問に答える中で、
このことに気付いたとき、

感謝とありがたさが、胸からわき上がるのを
押さえられなくなっていました。



老師は、自分のような人間に仏性があるのを見いだしてくれた。



老師はわたしに「仏性」、
つまり仏の魂があることを見いだしてくれ、

わたしは老師との関わりの中で、
自分の中にも仏性があることを思い出していたんです。



このことに気付いたときはもう、胸がいっぱいになり感動でした。

自分の中にも仏性があったって気付くことができるなんて、
こんな素晴らしいことってありません。





老師には生涯忘れることがない恩があると、
ずっと感じていました。

よく世の中の成功や幸せの教えでは、
「感謝しましょう」という言葉を耳にします。

わたしは正直、感謝を述べるのは得意ではないと思っていました。

100%心がこもっていないと、
自分の中で嘘くさく感じてしまっていたのです。



ですが、老師が仏性を見いだしてくれたことに気付いたとき、
わたしが感じていた恩は、
これ以上ないほどの感謝の念だったことにも気がついたのです。







自分の中に仏性があると知っていること。



こんな幸せで誇りに思うことはないと思います。







インドの旅でわたしは、数え切れないほどの固定観念が壊され、
日本ではけして得られなかった、数え切れないほどの
気づきと心境の変化、人生観の変化を体験しました。



だけどそんな中でも、老師が仏性を見いだしてくれたことを
理解できたことは、最高のサプライズなギフトだと思います。



わたしは人の中に「仏性」があることを思い出すことを手伝える、
そんな人として生きていきたいと、この旅を通して思ったのでした。











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